| 町並み研究会 2006年9月1日（金）〜3日（日） 軽井沢 素晴らしい旅でした！ 現地で建物の保存活動を展開している軽井沢ナショナル・トラストの皆さんが、 会長を先頭に6名、3日間ともフルに案内してくださり、明治末から別荘地として開かれた 軽井沢の歴史を語る建物を次々とめぐりました。 教会も別荘もほとんどが質素で、質実剛健というのが印象的でした。 現在お住まいの別荘を特別に中をみせていただいたのはヴォーリズが新婚時代に住んだ 「九尺二間の家」と旧鈴木歯科夏期診療所。 建物自体の味わいもさることながら、住まっておられる方々のそれぞれの山荘への思いや 歴史を語られるそのお話がとても印象的でした。 参加者33名。 標高９００メートルのヴォーリズ 軽井沢を訪ねて 山崎 富美子 今回の旅は、軽井沢ナショナル・トラストの全面的なご協力のもと、 ヴォーリズの愛した軽井沢の地を訪れる千載一遇の機会を得ました。 六甲山と軽井沢は同じ別荘地帯でもあり、不思議なことに、六甲山は標高９３１メートル、 軽井沢は標高９４０メートルと同じ高さにあります。 西の六甲山と、東の軽井沢、その真ん中にヴォーリズが終生愛して住まわれた近江八幡が あります。 その不思議も思います。 ヴォーリズは同じ標高の２つの地に、自然と共存した素晴らしい建物を多く残しました。 軽井沢はヴォーリズが夏の事務所を開いて、６０戸以上の建物を建てられたと お聞きしましたが、現在は２０戸ほどが残されていて、軽井沢ナショナル・トラストの 方々と、お住まいになっておられる方々との良好な関係のもと、保存・修復をしながら、 軽井沢の地に極めて美しい景観を保って残されていました。 1916（大正５）年に建てられた軽井沢夏期事務所は現存していませんでしたが、 1918（大正７）年の軽井沢ユニオン教会は、当地の象徴的キリスト教会としての役割を その建物が物語っているようで、特に礼拝堂の白樺の十字架が印象的でした。 そして、浅間隠（あさまがくし）のヴォーリズが新婚時代を過ごした「九尺二間の家」は、 今回のヴォーリズの建物の中でも心惹かれるものでした。 お住まいになっておられる浮田様が、窓ガラスが波うって外のゆらぐ景色が 素晴らしいのよ･･･と、おっしゃっておられたお言葉に、本当にヴォーリズの建物を 愛しておられるお気持ちが伝わってきて感動しました。 次回また軽井沢にヴォーリズに会いに来たいと思いつつ帰路に着きました。  九尺二間の家 明治のざわめきが聞こえてくる 田川 恵子 軽井沢には爽やかな風が吹いていました。 建物探訪にはとても良い気候です。 今回は＜軽井沢ナショナルトラスト＞の方々のご案内のもと、３日にわたって軽井沢にある 教会・別荘等を探訪しました。 まず、最初に訪れた＜三笠ホテル＞は明治３６年築のホテルで、日本の歴史をつくった人物が 数多く滞在した事で有名です。 外壁の茶色と白い窓枠のコントラストがとても美しい建物です。 ＜ユニオンチャーチ＞・＜日本キリスト教団軽井沢教会＞ ・＜日本聖公会軽井沢ショー記念礼拝堂＞はどれも素朴な木造りの教会ですが、 明治時代に建てられたとは思えない程きれいで時代の古さが感じられません。 中にいると心地よさが感じられ、つい「うとうと」してしまいます。 さて、今回多く見学をしたのが軽井沢にある別荘です。 そのほとんどが下見板張りの茶色の外壁と白い窓枠で出来ていていますが、 その造りが回りの木々の緑の中に自然にとけ込んでいる印象を与えます。 別荘の中でも今回はヴォーリーズ設計の別荘を見ることも楽しみの一つでしたが、 残念なことに＜近江兄弟社コテージ＞＜アームストロング別荘＞は何年も使用されていないためか 建物自体が死んでしまったかの感があり、今後の行く末が案じられました。 反対に＜九尺二間（旧ヴォーリーズ別荘）＞は今も滞在される方がいらっしゃるおかげできれいに 使われています。 同様に＜旧ライシャワー別荘＞や＜鈴木歯科夏期診療所＞も大事に使われているせいか、 建物は生き生きとしていて輝いています。 建物は使われていないと死んでしまうという事を目のあたりにしました。 軽井沢は明治時代に宣教師によって開かれた避暑地です。 当時はどんな様子だったでしょうか？別荘の中ではどんな会話が交わされていたのでしょうか？ 写真を見て想像するしかないのですが、私はタイムトリップしたい衝動にかられながら、 軽井沢を後にしました。  旧ライシャワー山荘 軽井沢で出会った建物  「九尺二間の家」（ヴォーリズ設計）の内部  ショー記念礼拝堂（ヴォーリズ設計） |
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