ヴォーリズ設計六甲山荘公開に参加して 　　　　　　　　　　　　　　                  　高島　元（会員） 　ヴォーリズ設計六甲山荘の一般への公開に際し、その事前準備と内覧会4日間のうち 2日だけ参加しました。 　事前準備は男性は外回りを女性は屋内のそれぞれ清掃を分担しました。 雑草は思っていたより少なかったが、落ち葉が多いのと何しろ敷地が広いのと 門から玄関までの通路が長いのが大変でした。 5人で5時間ほど掛け、門と玄関周りの清掃、長い通路の枝払いと庭の草取りで 精一杯でしたが、通路の確保とうっとうしさは除くことはできました。 下界の猛暑に比して格段涼しく（最高25℃位）緑に覆われた中で時折野鳥の声を 聞きながらの作業であったので、背に心地よい汗を少し滲むていどで疲れを それほど感ずることなく、終えたときは爽快さも一段と増していました。 　内覧会では見学者を案内すると、ほのかな美しさに感嘆され、築70年を感じさせない 造りに感心されて、特に家庭を持っている（と思われる）女性の方々は、随所に 施された生活者への配慮に羨望の声も口にされていました。 　ヴォーリズは、美しさを含めて住む人に優しい家造りを主張した建築家と 言われていますが、この山荘はヴォーリズ円熟期の作品で、別荘という限られたなかに あって、ヴォーリズの主張を今日に伝える代表的な建物の一つではないでしょうか。 ヴォーリズの作品は多くの場で紹介されていますが、何故かこの山荘は今まで 一般には知られずにいたが、これを契機に多くの人に知ってもらい、この貴重な 財産を活かしつつ次ぎの世代に引き継ぐことが、現時点での責務であり価値のある 文化活動のひとつかと思います。 　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　食堂でくつろぐ参加者

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