アンサンブル・アメニティのコンサート 　　　　　　　　　　　　　　　　　清水　順子 　アンサンブル・アメニティの第2回コンサートはうららかな春の日でした。 JR甲子園口駅を出て川沿いの葉桜の並木を楽しみながら10分ほど歩くと、 旧甲子園ホテル（現武庫川学院甲子園学舎）です。 　北側の門からながめる建物の第一印象は、重々しいという感じでした。 玄関から中へ入り、エントランスの階段を上がると、 奥行きのせまいロビーごしに庭の緑が目にとびこんできて、 建物の重厚さをやわらげてくれます。 内部の意匠、特にコンサート会場となったホールの装飾は 打ち出の小槌や水をテーマとしたものですが、 華麗にして壮麗。東の帝国ホテルと並び称されたというホテルの雰囲気がしのばれます。 　コンサートもすばらしかったです。 畑儀文さんのテノールの歌声、高本一郎さんのリュートのやわらかな音色、 赤松由夏さんののびのびしたヴァイオリンの調べ、春木浩子さんのあでやかなハープの響き。 独奏で、デュオで、トリオで、そしてカルテットで、音楽の美しさを実感しました。 特に畑儀文さんが歌われた「神田川」と「いちご白書をもういちど」は、 私たちの世代にはいっそう心に響くものがありました。 中休みには庭の満開の八重桜を楽しむというおまけまでついて、 大満足の半日でした。