2021年3月 室谷邸記念館が完成 於六甲山荘
昨年冬から工事にかかっていた室谷邸記念館が完成しました。設計図で見て予想していても、実際の姿を見ると、その迫力におどろきます。旧室谷邸からもたらされた扉、梁、柱などの部材の存在感はすばらしく、これだけでもよくぞ残っていた！と胸があつくなります。神戸市から旧室谷邸門廊部分の部材を引きうけてくれないかという話が飛び込んできてのが2020年1月でした。
ヴォーリズ設計の名邸宅の名残を受け入れるのは喜ばしいことながら、それには大きな関門が三つありました。
①国立公園である六甲山荘に新しい建築物を建てられるのか
②部分的にしか残っていない部材を活かしつつ門廊をどう再生するか
③建設費用の確保 でした。
これらをどう解決してきたかは、5月に発行する「アメニティ・レポート2020・室谷邸記念館特集号」に詳しく書かれています。
この建設に当初からかかわってくださったスタッフのなかでも、津枝勝見さんは建築家として設計監理に心を砕いてくださり、角倉起美さんは失われた壁材としてレンガ700枚、床材としてタイル750枚を焼いてくださいました。
そして協会を会員として支え、寄付をしてくださった皆さまのおかげで、文化遺産継承基金として建設資金の一端をまかなうことができました。皆さま、ありがとうございました！
午後は室谷邸記念館の内壁に柿渋を塗る作業をおこないました。3回ほど重ね塗りをして、壁の色がおちついたようです。
冬ごもりを終えて公開をひかえ、スタッフ研修をしました。安永順一さんの指導で、館内はもちろんきょうだいの森と室谷邸記念館もまわり、一段と魅力的になった山荘の姿を目にやきつけました。
皆さんからご寄付いただいた空き瓶につめて40個余りできたのを冷凍保存してあるので、いつでもお頒けできます。ご希望の方はご連絡ください。
2021年3月6日（土） 弥生の茶会 於草志舎2020年12月5日（土） 文化遺産信託研究会セミナー 於草志舎
文化遺産信託研究会の活動としてのセミナーです。室谷邸記念会の建設について詳しい
解説、展望を飯畑正一郎氏と津枝勝見氏が語ってくれました。ティータイムでは山形政昭
氏などと活発な意見交換があり、充実した内容となりました。
開催案内
2020年11月23日（月・祝） ヴォーリズ六甲山荘大掃除 於六甲山荘屋外は案内板などをかたづけ、落ち葉掃き、笹刈りを行い、屋内では床や壁の拭き掃除と家具を片付けました。写真は、最後に雨戸を閉めているところです。
創立の年から毎年開催している活動ですが、今年は新型コロナウイルス対策のため規模を縮小して行いました。厨房もお昼ごはんはあつかわず、喫茶（飲み物、ケーキセット、ぜんざい）だけ。各売り場ではお金をやり取りしないでレジ方式で清算するなどの工夫をしました。お客さまも例年より少なめのようでしたが、リピーターの方々も来られて、なごやかな一日でした。 開催案内
2020年10月17日（土） 創立20周年記念会 於六甲山荘
協会の創立20周年をお祝いする記念会を開催しました。今回は六甲山荘を会場に、会員だけのこじんまりとした集まりでしたが、雨のなか、かえって参加者の気持ちがひとつになるような温かい記念会となりました。
第1部は説明会で「旧室谷邸部材利用による休憩所建設計画」について、計画の経緯、概要を写真や図面を多く使って分かりやすく説明がありました。
ティ―タイムをはさんで第2部はテノール歌手畑儀文さんのミニコンサートです。雨音をバックに弾き語りでシューベルトから童謡までの楽しいコンサートでした。 開催案内
2020年9月19日（土）～22日（火・祝） ヴォーリズ建築展「失われた名邸宅」～旧小寺邸と旧室谷邸～ 於六甲山荘
特別企画としてヴォーリズ建築展を企画しました。今回のテーマはヴォーリズ建築のうち阪神間の代表的邸宅建築である旧小寺邸（神戸市東灘区）と旧室谷邸（神戸市須磨区）でした。この２邸はアメニティ2000協会とのつながりが大きい存在です。ヴォーリズ六甲山荘の建築主である小寺敬一氏の本宅が旧小寺邸でした。またこのたびきょうだいの森に建設予定の休憩所は旧室谷邸の門廊の部材を利用して建てられます。旧小寺邸は2011年に、旧室谷邸は2007年に姿を消しましたが、昭和の名建築の優雅なすがたの一部なりとも見ていただける展示となりました。
創建当時の写真や図面などこれまで公に出ていなかった資料も多く、見ごたえのある内容で、意義深い企画となりました。
来場者は4日間で156名（団体のぞき131名、一日平均33名） 開催案内
対象はこれまで協会の活動にかかわってくださった方々とマスコミです。17日にはベイコミュニケーションズから取材があり、18日には招待者が来られて、山荘ときょうだいの森をご案内しました。
2020年8月末日 ヴォーリズ六甲山荘の屋根葺き替え工事完了
懸案としていたヴォーリズ六甲山荘の屋根葺き替え工事は7月9日から始まって8月末に完了しました。数十年ぶりの葺き替えです。塗装のはげかけていた煙突も修理し、黒くすっきりと見違えるような屋根になりました。何年にもわたって会員の皆さまと一般の方々からお寄せいただいた寄付金のおかげでこの大工事が完成しました。あらためて皆さまにお礼を申し上げます。
また費用のうち半分に対して文化庁の文化資源活用事業費補助金を受けることができました。六甲山荘の文化的価値を認められたしるしです。
2020年8月24日（月）文化遺産信託研究会発足 於六甲山荘
4月6日に予定していた文化遺産信託研究会の設立総会は延期して8月24日（月）に六甲山荘で開催されました。参加者は11名。規約、役員人事、2020年度事業計画、2020年度予算案が承認され、いよいよ活動が開始となります。現在の会員数は65名（うち2団体）で、8名の理事が選任されました。そのうち3名（事務局長・業務委員長の飯畑正一郎氏をふくむ）はアメニティ2000協会の会員です。総会後の理事会で田淵結氏（アメニティ2000協会理事）が理事長に選任されました。
総会後の交流会では参加者の皆さんがご自身の活動やこの研究会にかける想いについて語られ、お互いに共感したり、力づけられたり、意義ある時間でした。最初の活動は12月5日（土）のセミナーです。今後の活動はどのように展開するのか、どのような可能性があるのか、業務委員会が中心になって進めていきます。研究会の活動にご期待ください。 設立趣意書
公開にあたっては感染防止の対策をとっています。おもな内容は：
・マスク着用（もっていない来場者にはマスクを渡す）
・窓をすべて開放する
・トイレにはペーパータオルを用意する
・館内には10名以上の滞留はしない です
こんな時期でも来場者は来てくださり、六甲山と山荘のすがすがしい空気を堪能して帰られます。（アメニティ便り 2020年7月号）
・和のこもの展（4月末予定） → 秋に延期
・ヴォーリズ記念・きょうだいの森内覧会（4月1、2日予定） → 中止
・ヴォーリズ六甲山荘・きょうだいの森公開 → 4月、5月中止
・ヴォーリズ展・春季 → 中止
・英国ナショナル・トラストの旅（5月25日～6月2日予定） → 中止
・畑儀文の合唱教室 → 4、5月中止
また文化遺産信託研究会の設立総会（4月6日予定）、ヴォーリズ建築文化全国ネットワーク全国大会（6月6日予定）も中止となりました
出席者と委任状を合わせて127名で定足数113（正会員数225名×１/2）を十分にクリアして総会は成立しました。議案もすべて承認され、2020年度の活動が本格的に開始となります。今回はとくに六甲山荘の屋根吹き替え工事計画と旧室谷邸門廊の部材を利用した休憩所の建設計画が承認され、今年度中の着工が決定したのが大きな議案でした。
こういう時期にもかかわらず15名の参加があったのはうれしいことでした。総会後は残念ながら交流会は開きませんでしたが、皆で資料の発送作業を行いました。